2015年1月31日

“体験化”する音楽〜情報理論でひも解く音楽の有限性

 かの作曲家事件に関して、音楽評論家による「和洋中なんでもござれの定食屋」という批判があったが、違和感をもった。件の曲はクラシックの体裁をまとっていても、実質、ポピュラーな音楽である。ゲームの音楽をオーケストラが演奏するのも楽しいものであるが、クラシックと同列での批評に耐えるものにはなりえない。

・朝日新聞「物語と音楽の矛盾に違和感 佐村河内守氏の問題」(2014年2月18日)
 http://www.asahi.com/articles/ASG2C2QBTG2CUCVL003.html

・NHK 科学文化部「代わりに作曲の男性謝罪「私は共犯者です」」(2014年2月6日)
 http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/700/180524.html

 お決まりのわかりやすいメロディーやリズムを多用するポピュラーな音楽は、必然的に「定食屋」となる。そうしておかないと、客が「うまい」と感じないのである。つかみどころがなく難解であったり、構成が複雑すぎたりすれば、頭の中で反すうするのも難しくなってしまう。上を向いて歩きながら口ずさもうにも、カラオケで歌おうにも、わかりやすさが欠かせない。似たようなことは、初修者向けの練習曲や学校向けの合唱曲、アマチュアが多い吹奏楽曲などにもいえることで、そこでは「後世にのこる芸術的価値!」よりも、演奏のしやすさが優先される。機能や役割が違うものを、同列には批評できない。

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2015年1月29日

路線図あたためますか

 路線網は変わり続けている。2000年以降、埼京線の大崎延伸、りんかい線との直通運転の開始、つくばエクスプレス(常磐新線)の開業、ゆりかもめの豊洲延伸、東京メトロ副都心線(13号線)の開業と、いままでつながっていなかった区間をつなぎ、ネットワークを拡充する新線が続々と開業している。武蔵小杉への横須賀線ホームの新設では、新しく乗り換えが可能となることで、運賃算定の基準となる最短経路が広域で更新され、運賃の値下げにつながった区間も多く生じた。都内にありながらローカル線的な趣きのあった東急大井町線では、追い越し設備の新設と田園都市線の複々線化により、溝の口−大井町間での急行運転が開始され、新たな動脈となりつつある。3月には東北縦貫線が開業し、上野東京ラインの運転が開始される。相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線の開業も数年後に控えている。

・東京臨海高速鉄道「りんかい線ネットワーク図」
 http://www.twr.co.jp/route/index.html#RNetwork

・首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)「駅・駅ナカ情報」
 http://www.mir.co.jp/route_map/index.html

・東武鉄道「相互直通運転のご案内」
 http://www.tobu.co.jp/tsunagaru/

・東急電鉄「路線図」
 http://www.tokyu.co.jp/railway/station/

・鉄道・運輸機構、相模鉄道、東急電鉄「相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線」
 http://www.chokutsusen.jp/

 路線網の変化に対して、路線図はあまり変わり映えがしない。いくら路線網が拡充されても、新しい乗換駅や、従来より便利な乗車経路が人々に認知されなければ、人々はいままで通りの経路でしか乗車しない。新線や新駅の建設というハードウェアだけでは、混雑の分散や広域での便益の波及(所要時間短縮など)が「絵に描いた餅」に終わってしまう。いま、新線や新駅、新しい速達型列車や直通列車などの「ポテンシャル」を引き出すことのできる、新しい路線図が求められている。

お手元の路線図をご覧いただきながら続きを読む

2015年1月27日

含みのあるはなし

 最近、目につく(耳につく)言葉に「○○を含めて検討する」というのがある。もし、発言がそのまま記事になるとしたら、「と、含みを持たせた」と書かれるところだろう、と思いきや、必ずしもそうではなかったのである。

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