2007年5月6日

森の精と風神雷神2

 昨日から、キーワード「風神雷神」「事故」で検索してこのブログに到達する方が増えているが、大阪のエキスポランドで起きたコースターの事故について、このブログでは取り上げるつもりはない。

 …などということだけを書くと、まるで「適時開示情報」のように味気ないので、もう少し書いておく。

 私は遊園地に行っても楽しめない性格で、だからそもそも行かないのだが、常々「どうしてその公園に乗り物が必要なのか」という疑問を持つことがある。地元、千葉市の動物公園に観覧車ができたときにも「どうして動物公園なのに観覧車?」と思ったものである。この手の公園を運営する側としては、あちこちの公園に観覧車やコースターがあるのを視察してきて「ウチにも一つ」と思うのかどうかは知らないが、そんな生ぬるい経緯で設置された乗り物が10年後にもきちんと維持されている保証はない。

 エキスポランドは何が目的なのか、何が目玉なのか。きちんとした遊園地であれば、運営の理念、創業者の意思といったものがにじみ出てくるものだ。私鉄系であれば沿線価値の向上も目的だろう。エキスポランドには、そういうものが見当たらない。いわば「基礎」がないまま漫然と営業しているのでは、どこぞの会社と同じく「株式会社の体をなしていない」と言われても反論できまい。万博に観覧車などを納入したメーカーが、アトラクションをそのまま引き継いで遊園地にしたというのが実態のようだ。はじめに乗り物ありきの、遊園地としてもビジョンに欠ける代物だったのではないか。

 そもそも万博というもの自体、何の意味があるのか。専門的なテーマや、その土地ならではのテーマを持つ博覧会には意味があると思う。しかし、今さらそれを言ってもしかたがない。愛知万博の場合、途中から「環境と技術の調和」というテーマが出てきて、それなりに意味のあるものになった。

・丹青社「いまだからこそ語りたい愛知万博」
 http://www.tansei.net/casestudy/no7/banpaku/aichi.htm

・「愛知青少年公園 施設概要」(瀬戸セーエー陶器株式会社による私設のページ)
 http://www.seto.gr.jp/youthpark/sisetu.htm

 愛知万博では、開催に伴う開発を最小限にとどめるため、もともと公園だったところを会場にしている。それを「元通りに戻すだけでは芸がない」とばかりに、新たな公園の計画作りが始まった。

・愛知県公園緑地課「21世紀にふさわしい公園を考える懇話会」
 http://www.pref.aichi.jp/koen/YP/konwa00.html

 新しく何をしようか、何を作ろうか、という話が多い中、意外な意見も出されていた。

 > 大学の学生にヒアリングしたところ、ほとんどのものが何も手を加えなくてもよいから以前のままの状態に戻してほしい、という回答であった。
 > 学生は地元出身者が大多数で、幼い頃から公園を利用しており、また、大学に入ってからはゼミ合宿やクラブ活動に利用していた。

 「持続可能な公園」とでもいえば今風になるだろうか。公園は公園でいいのである。巨大な観覧車も立派なレストランも要らない。だからといってほったらかしではなく、いつ行っても整っていて居心地がいい。そのくらいであれば、無理して株式会社という形態を取らずとも、自治体レベルで十分だろう。「足るを知る」ということでもある。

・「EXPO70の跡地は今」(個人のページ)
 http://www.rose.sannet.ne.jp/nishiha/banpaku/index.htm

 人工的に緑地を作って何になる、と思われる方もいらっしゃるかも知れないが、江戸時代の武家屋敷が庭園として継承されていたりする。手付かずの自然ではなくても、かけがえのないオアシスであることに変わりはない。今までに作られたものを守るのに加え、何かの機会に広い土地が空いた時点で新しく緑地を作ることは、とても意味のあることである。

 にしても、愛知万博でも観覧車は作られている。横浜などを見ても、確かにランドマークにはなっているので、一概に無駄だ無意味だとは言いきれない。せめて観覧車だけにしておけば、風神さまや雷神さまが怒り狂うことはないのではないだろうか。
posted by tht at 14:13 | コメント (0) | トラックバック (0) | 未分類
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