2015年1月29日

路線図あたためますか

 路線網は変わり続けている。2000年以降、埼京線の大崎延伸、りんかい線との直通運転の開始、つくばエクスプレス(常磐新線)の開業、ゆりかもめの豊洲延伸、東京メトロ副都心線(13号線)の開業と、いままでつながっていなかった区間をつなぎ、ネットワークを拡充する新線が続々と開業している。武蔵小杉への横須賀線ホームの新設では、新しく乗り換えが可能となることで、運賃算定の基準となる最短経路が広域で更新され、運賃の値下げにつながった区間も多く生じた。都内にありながらローカル線的な趣きのあった東急大井町線では、追い越し設備の新設と田園都市線の複々線化により、溝の口−大井町間での急行運転が開始され、新たな動脈となりつつある。3月には東北縦貫線が開業し、上野東京ラインの運転が開始される。相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線の開業も数年後に控えている。

・東京臨海高速鉄道「りんかい線ネットワーク図」
 http://www.twr.co.jp/route/index.html#RNetwork

・首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)「駅・駅ナカ情報」
 http://www.mir.co.jp/route_map/index.html

・東武鉄道「相互直通運転のご案内」
 http://www.tobu.co.jp/tsunagaru/

・東急電鉄「路線図」
 http://www.tokyu.co.jp/railway/station/

・鉄道・運輸機構、相模鉄道、東急電鉄「相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線」
 http://www.chokutsusen.jp/

 路線網の変化に対して、路線図はあまり変わり映えがしない。いくら路線網が拡充されても、新しい乗換駅や、従来より便利な乗車経路が人々に認知されなければ、人々はいままで通りの経路でしか乗車しない。新線や新駅の建設というハードウェアだけでは、混雑の分散や広域での便益の波及(所要時間短縮など)が「絵に描いた餅」に終わってしまう。いま、新線や新駅、新しい速達型列車や直通列車などの「ポテンシャル」を引き出すことのできる、新しい路線図が求められている。

お手元の路線図をご覧いただきながら続きを読む

2006年7月17日

空港と鉄道駅の比較/PDPの活用法

 6月から7月にかけての主な話題をまとめた。

・[2751] 新生・成田空港南ウィングに見る「美・用・強」
・[2753] 空港ターミナルとターミナル駅
・[2754] Re:[2753] 空港ターミナルとターミナル駅

 6月2日に、成田空港の第一旅客ターミナルがリニューアルオープンした。フォーラムでは、鉄道のサインシステムと空港のサインシステムを比較する機会を得た。

 空港においてはサインシステムが建築と絡めて一体的にデザインされており、機能面でも強力なものとすることに成功している。鉄道においては既設駅の改修は並大抵のことではできず、結果としてサインシステムは余白に詰め込まれることになる。

・[2758] 近くで見るための詳細な可変表示

 PDP(プラズマディスプレイ)を始めとする近年の大画面表示デバイス(50〜100インチ)の採り入れ方がポイント。空港ではカウンターの周りに惜しげもなく多くの画面を配置し、鉄道で言えばホームの自立式時刻表に掲載されるのに相当する詳細な情報を可変表示で提供している。

・[2760] 表示デバイスの展望と提供情報の整理

 鉄道では、現状ではLEDが中心であるが、PDPや有機ELといった新デバイスの活用へ向かおうとしている。空港よりは整備箇所が格段に多いため慎重な検討が加えられており、主にPDPのより一層の大画面化、有機ELの長寿命化を待っているという「様子見」の状態にある。

 検討の場に環境心理学や認知心理学の考え方が採り入れられているのは心強い。これまでのような、ともすると場当たり的になっていたサインシステムからの脱却が期待される。

・[2766] 輸送障害低減対策
・[2770] 案内の拡充とメディアの使い分け
・[2771] 運行情報案内の拡充(Re:[2770])

 PDPの話題が出ていたところで、PDPの活用を盛り込んだ新しい対策が公表された。運行情報や振り替え乗車の案内をPDPで行なうという。実効性には疑問符がつきそうだが、以前よりはマシになるだろう…といったところで話題が収束している。

 この続きはFORUM×ATOSでどうぞ。

2006年5月20日

知っておきたい ATOS導入対象拡大の背景

 これまでATOSが導入されていなかった横須賀線の一部(大船−久里浜間)、武蔵野線に、数年後にATOSが導入される予定のあることが明らかになった。どうして後から追加されることになったのだろうか。

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2006年1月25日

いま、南武線が熱い!

 JR南武線は、川崎と立川を結ぶ路線です。総武線と同じ「黄色い電車」が走っていて、東京や千葉の人にとっては「あれっ」と思う路線でもあります。

 それはともかく。この南武線でいま、ちょっとした変化が起きています。各駅に電光掲示板が設置されているのです。

 あれでしょ、きっぷ売り場の上についてて広告が流れてるやつ…という方。それじゃありません。電車の発車時刻や行き先が表示される、京浜東北線や中央線の駅にあるのと同じものがつくのです。

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2005年12月27日

羽越線脱線事故関連

 思ったようにブログが活用できず歯がゆい思いをしています…。

 25日に羽越線で発生した特急いなほ14号脱線事故に関連する内容を、FORUM×ATOSに書きました。ブログに書くかフォーラムに書くか迷うことも多いのですが、フォーラムの方が多くの方に見ていただけるので、書き甲斐があるのは事実です。かくしてブログが白いままに…。

・FORUM×ATOS
 [2552] 強風警報システムとアドホック・センサ・ネットワーク
 http://curiosat.jpn.org/atos3/forum/nph-forum_p.cgi?num=2552

 強風時における運転規制の実際と、その合理化を目指して試験運用されている新しい警報システムをご紹介しつつ、「直観で守る安全」「気象観測データの社会的な共有」といった視点で考察してみました。

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2005年11月27日

「ATOSによる旅客案内」とは?

 都内のJRの駅。改札口やプラットホームで見かける、電車の発車時刻や行き先を表示する電光掲示板と、「まもなく4番線に快速磯子行きがまいります」といった自動アナウンス。このような文字と音声による情報提示のことを、業界の人たちは「旅客案内」と呼んでいます。…案内される側の私たちにとってはどうでもいいわけですが、ここはひとまず業界の人たちにあわせておくことにします。

 電光掲示板や自動アナウンスといった旅客案内のための装置が単体で(各駅バラバラに)設置されている路線も多いのですが、東京近辺のJR線では「ATOS」(自律分散型輸送管理システム)と呼ばれるシステムによって一元的に自動制御されています。

ATOS, The Future「身近なATOS/ATOSとは−概要と機能」

 たったそれだけといってしまえばそれまでですが、これが実はとてつもなく「すごく」また「おもしろい」ことなのです。

 かつて手書きや手刷りだった「かわらばん」が活字の新聞になり、やがて巨大なオンライン編集システムと印刷工場を擁する一大産業になったように、いま、各駅の情報提示装置がオンライン化され、一元管理下に置かれ始めています。たった一ヶ所での操作で、首都圏300駅数千台の電光掲示板に同じ文章を流すことができるのです。

 そう考えると、ちょっと「すごい」でしょう?

 まだまだ「情報を効率的に提示する」「安全に関わる」などと「お堅い」運用しかされていませんけれども、例えば伊藤園の新俳句のような「遊び」に使うことも不可能ではありません。商品のパッケージがメディアたりうるように、駅の電光掲示板もメディアたりうるわけです。

 そう考えると、ちょっと「おもしろそう」でしょう?

FORUM×ATOS:[2492] ATOSと旅客案内

 FORUM×ATOSでは、ちょっと込み入った技術的な話も混じりますが、根底では上のような「すごさ」「おもしろさ」への感嘆を込めて議論(談話ともいう)を紡いでいます。

2005年11月19日

FORUM×ATOSの概要

「FORUM×ATOS」は「ATOS, The Future」内に設けているフォーラム(電子会議室)です。ここで話題になっているホットなイシューを定期的に要約して提供するのが「FORUM×ATOSダイジェスト」です。

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